2099-04-01から1ヶ月間の記事一覧

昨日吐いた嘘に真実を含ませるために、今日の嘘をつく今日の嘘が零れてしまわないように、明日の嘘を練っていく それが良いことなのか悪いことなのかは誰にもわからないけれど、 世の中が潤滑に廻っているということは、 誰かが嘘をついている、そういうこと…

週末の人波に抗う力もなく、削られるように疲弊していった。 目的を見失って漂う私は、ため息にも似た白い息を吐き出し、道端に座り込む。 何時だってそうだ。 私はその場所に留まることを許されない、場違いな人間。 脱力感で呆けている私に一瞥をくれるこ…

失われた色

小さな頃、探していた あたしだけの色 手を伸ばせば届くような気がしていた終わりを迎えるなんて想像もしなかった そっとしておいて それだけを望むの触れないで欲しい あたしの傷口に あなたでは満たされないから 泣かないで お願いだから それを美しいと思…

役目を終えた電話ボックスの冷たい影に隠れるように、どうしようも無い気分で疲れた荷を降ろす 願い適わぬまま、今日という一日が終わってゆく明日に繋がる今日を望み、また灯が消えてゆく 忙しそうに街を横切る人々は、夕陽を眩しいと思うのだろうか

今日という一日

我が家の猫がニャーニャーと騒いでいる。 何事かと訝しげに思いながら視線をそちらに移すと、ご飯茶碗を右腕で叩きながら「おなか減ったぞー」とシュプレヒコールを繰り返している模様。 外界で汗水垂らしながらあくせく働いていた自分が、一日中室内で物思…

Be Happy

「君はもっと君にしか出来ないことをすればいいじゃないか。」 「あたしは仕事に貴賎があるとは思っていないの。テーブルの上にお皿を並べる人だって、眉間に皺を寄せながら書類に判子を押す人だって、大した違いは無いと思うわ。」 「テーブルに皿を並べる…

呼吸

東の空を眺めながら、 羽根を仕舞う鳥達 適えられること、あと幾つ残っているのだろう 伸ばした指の先に、 触れたものは 弾け飛んだ泡の中に、 託したものは 笑いながら泣くことを覚えた、 月の無い夜 誰も傷つけずに進むには、この道は長すぎて 少しの笑い…

冷たい海

忘れようとする度に記憶の中で鮮明に蘇る、冷たい海岸線を眺めながら途方に暮れていた。音も立てずに漣が打ち寄せられては消えてゆく。何処にぶつけて良いのかわからない苛立ちが募り、憂鬱さを悟られないように勢い良く足で砂浜を蹴り飛ばした。 「生きとし…

flow

地図にも残らない場所で裏切れるほどの愛を手に入れて雲の隙間から零れる光を求めた また何かを忘れて生きていく 答えを求める会話が繰り返されて いつしか溜息さえ凍える景色にも慣れて何が伝えられるんだっけ? 何を伝えたいんだっけ? 欲しくもないリアリ…

君と僕で

大切なことを忘れて、 軽々しく笑ってしまうような口なら、 要らないんだ 不必要なものを切り棄てる、 前しか見えない目など、 欲しくはないんだ 何処までも埋まらない距離を、 君と僕で打ち消してやるんだから

冬の黄昏

光の嘆き 黄昏が舞い降りる声を枯らした烏の声 生命の終わり 破れたポストカードに記されていた言葉 「神の御心をあなたに」そこで途切れている 凍りついた街 手の平で息吹を感じる琥珀色の魂 それだけを携えて 褪せた壁に書き殴られた言葉 「全ては運命の」…

それは、始めは小さなシミだった 白い白い純白のシーツに、ぽつんと堕ちていた、あたしの中の悪意 ゴシゴシと擦ったら、汚らしく広がって、 収拾がつかなくなったから、そのまま放っておくことにした 次第に、あたしの心を占拠してゆく目を背けようとも逃れ…

遺書

遺書とは誰に向けて記すものなのか。 僕は、分配する必要があるような財産など持ち合わせておらず、伝えねばならない事など何一つ、誰一人として存在しない。だから、僕は自分の為に遺書を記そうと思う。 自分だけに宛てた遺書を記そうと思う。 君の中に生ま…

あたしの中の汚れた気持ちが、 夜を包み込んでは、沈みゆく 何処まで続くのだろう何処に飲み込まれてゆくのだろう 降り止まない雨に、 不安にもなるの 生きてゆくこの全てが 明かりのない夜は嫌いなの このまま生きていけるとはとても思えないから それでも…

人生の多くは悲しみで覆われている気がする僕はそんなに笑わないし、あれが欲しい、これがしたいとは思わない けれども、一度だってこれを放棄したことはない生きる 誰かの幸せの下には、 必ず誰かの不幸せが存在し、 世界は絶望の上にこの美しさを保つ それ…