週末の人波に抗う力もなく、削られるように疲弊していった。
目的を見失って漂う私は、ため息にも似た白い息を吐き出し、道端に座り込む。

何時だってそうだ。
私はその場所に留まることを許されない、場違いな人間。

脱力感で呆けている私に一瞥をくれることもなく、忙しそうに過ぎ行く人々。
「時間は限られたものなのか?」と問いかけても、
影を踏みつけるだけで、満足な回答は得られなかった。

冬の寒さは音を奪い去る気がする。色が失われている気がする。
美しい言葉は、ここに在るのだろうか?
二度とは戻らないあの日を、思い出すのだろうか?

苦悩を抱えることによって、浮き彫りになるのは己の脆弱さ。
存在を示すために、愛されたいと叫ぶことも出来ない。

全てを飲み込む力が欲しい。
全てを変える力が欲しい。

コンクリートの温もりは冷た過ぎる。