2098-12-01から1ヶ月間の記事一覧

灯りを消して、月の光に埋れるように暖かい湯の中へと身体を沈める。 バスタブから溢れる音が止むと、辺りはしんと張り詰めた静寂に支配された。 耳を澄ますと遠くから微かなエンジンの音が聴こえてくる。 それが私と世界を結び付ける全てだった。 こんなに…

時計の針はきっかり12時を指していた。 ふとあたりを見回してみると、会社に残っている人間がいつの間にか自分だけになっていることに気付く。通りで静寂が五月蝿いわけだ。残業代も出さない会社に対しボランティアで尽くすことをバカバカしく思い、残りの…