あまりにも美しい夜が訪れて、出会った頃の君を思い出した
それが例え途切れがちな記憶であったとしても、
色褪せない君の笑顔は、僕の心を締め付ける

あんなにも無邪気な顔で、
あんなにも素直な心で、
また僕は笑うことがあるのだろうか

俯いたままの眼差しに、行き場を無くして揺れ動く手の平、
幼かった二人に選べる道は少なすぎて、
打ち寄せる波のように不安は増していくばかり

言葉は傷つけあう道具じゃないのに、
それでも君を大切に想っていたのに、
どうして、遣り切れない思いに押し潰されそうになるのだろう

砂浜に描いた文字は波に浚われて、
変わってゆく二人をただ見つめていた

あんなにも、優しい顔で、
あんなにも、美しい心で、
また僕は生きていくことがあるのだろうか