「なんでそんなことするんだよっ」
「おまえは違うんじゃなかったのかよ!」
「おまえだけは違うんじゃなかったのかよっ!!!!」



「お願いです。お金を貸して下さい」
「俺がお金持ちだからですか?」


「俺、つかえると思ったんでしょ」
「わかるよ」
「だってあんたはもうひとりの俺だから」




「捕まったら、死刑だ」


「でもな」
「俺は間違っていたとは思わない。これっぽっちも思わない」
「確かに俺は人殺しの犯罪者だ。地獄に落ちてやるよ」


「ただな」



「おまえらだってそうだ」
「金だろ。金が欲しいんだろ?」
「争え」
「もっと醜く奪い合えよ」
「金だ、結局金なんだ」
「全部金なんだ」




「おまえらは気づかんふりして」
「飼いならされた豚みたいに生きている卑怯者」


「金より大切なことがあるって言うやつほど信用ならない」



「お金では買えないものがある?」
「買えないんだったら、いらないよ」
「べつに、すべてが欲しいと思っているわけじゃない」
「ただ、すべてを我慢して長生きなんてうんざりだ」


「そうだよな」
「なんでもするよな、人間なんて」


「金のためなら」



「嫌いなんだろう?幸せなそうな面しているやつが」


「俺は自分が醜いからさ、美しいものが好きなんだ」
「だからおまえは大嫌いだ」



「あなたはお金に負けてるのよ」


「あれ、どこへ行っちゃったんですか?」
「あれだけ大事だって言ってた心は」



「あなたはお金に負けてるのよ」


「さんざん言ってたじゃないですか」
「大事なのは心だって」


「あなたはお金に・・・」


「そういう計算をするのも心なんですか?」



「そんなことどうだっていいの!」
「お金っ!」


「お金・・・」


「あんたらみたいなのが居るから、この世界は」


「お金・・・」


「お金が欲しいの!」



「わかったよ、わかったって」
「はじめっからそれが望みだったんだろ?おまえの」


「こいつ死なないかなって」
「いつから思ってた?」




「まんまと騙されちまったよ」
「おまえらが大事にしている心に」