真夜中でダンス

精神病棟の白い衣服がよく似合う彼女。
髪の毛はボサボサの鳥の巣で、右手に針むしろのテディベアをしっかりと握りしめながら、サイレン音を真似して「うーうー」叫び出すようなカワイイ彼女がボクには必要なんだ。
彼女をもてなす為に、マンハッタンビルの27階にある会員制のレストランでオムライスを注文する。もちろん天辺に爪楊枝で作った国旗旗を添えてもらうことも忘れない。ついでにソムリエにミモザをぶっかけてもらって、ケチャップでドレスを着飾ってみたら、なおさら素敵になるんじゃないかな。

もう現実に起こる予測の範疇の出来事にはうんざり。

ねぇ…真夜中の横断歩道で寝転がりながら、二人で手を握りあって声が枯れるまで笑いあおうよ。それでいいじゃない。余計なものは何もかも頭から丸ごと食べてしまおう。愛しているなんて呟くのは明日にして、今日は歴史に名を刻むぐらいの気違いになってみようよ。
生きている事を精一杯叫んでみるんだ。