袖口に付いた汚れをゴシゴシとこすり落としていく。初めは染み入る冷たさに耐えつつ、次第に感覚が麻痺してきて、やがて何も感じなくなってしまう。人は慣れていく生き物だから、時間の経過と共に褪せていくことは仕方がないのかもしれない。付き合い初めに感じていた温もりや高揚感はいつの間にかどこかへ消え失せてしまった。