私は横たわっていた。
目を覚ましては絶望し、絶望に疲れ果てては眠りに落ちた。
今日が何日の何曜日であるのか、晴れているのか雨が降っているのかさえわからず、
カーテンの内側で浅い呼吸を繰り返すことが精々だった。
ときどき胃がヒステリーを起こし、洗面所に閉じこもらなければならなかった。
吐き終えた後、えずくことで落ち着きを取り戻す。
ストレスから逃れる為に身体がえずくことを覚えると、次第にその間隔が狭くなる。
洗面所で暮らす、奇妙な生き物。
ごそごそと冷蔵庫を漁って、ひたすらチョコレートを貪る。
髪は脂でべたつき、涙で顔はむくみ、口の周りは黒く爛れていた。
そいつが時々、言葉を発する。
想像するだけで気分が悪くなる。
とにかく生き残ることが最優先だった。
「死にたくない」
洗面鏡の前で懇願を繰り返していた。
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彼女の苦しみを私は知らない。
私の苦しみを彼女は知らない。
わかりあえるわけがない。