東京夜行

夜の東京へ紛れ込みました
久しぶりに、あちらこちらに
互いに隠しきれない緊張感を抱えながらも、
同じ景色を眺める悦びに浸り、
宛ても無く街を彷徨いました

月夜の東京がひっそりと静まり返る中、
互いの脈動は一筋の軌跡となり、
それは二人の為に用意された舞台のよう

終焉から目を背けるように、
どちらから共無く手を繋ぎ合わせ、
冷たく小さな温もりが小刻みに震えて、
生命の鼓動を伝えていました

安堵で満たされた心で、何時の間にか微睡むように眠り、
白々しい朝に迎え入れらた時、
仄かな香りだけを残し、全ては夢幻の如く

それでも、失ったものを抱えて、
また歩いていけるような気がするのです